Japanese
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特集 自律神経系と循環器疾患
各臓器間を介した自律神経ネットワーク―循環器疾患における役割
Inter-organ Communication via Autonomic Nervous System:A new role in cardiovascular diseases
宇野 健司
1
,
片桐 秀樹
2
Kenji Uno
1
,
Hideki Katagiri
2
1東北大学大学院医学系研究科分子代謝病態学分野
2東北大学大学院医学系研究科代謝疾患学分野
1Division of Molecular Metabolism and Diabetes, Tohoku University Graduate School of Medicine
2Department of Metabolic Diseases, Tohoku University Graduate School of Medicine
pp.283-290
発行日 2012年3月15日
Published Date 2012/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101911
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はじめに
昨今,メタボリックシンドロームの病態を呈する患者が世界的に急増し,社会問題となっている.その病態は多様な因子に基づき形成されており,発症基盤につながるメカニズムを解明することが必要である.
生体内におけるホメオスターシスの維持を考える際に,各々の臓器が調和を保ちながら相互に機能する臓器間連関が提唱されてきた.そのなかで,自律神経系を介した臓器間ネットワークにより,脳を中心として様々な代謝が調節されることが明らかになりつつあり,その意義と役割が関心を集めている.
本稿ではまず,エネルギー代謝の調節という側面から,各々の臓器から発せられる神経系シグナルの多様な役割を概説する.次に,肝臓からの神経シグナルが肥満に伴う高血圧形成に寄与するとのわれわれの新しい知見を踏まえながら,神経ネットワークと循環器疾患との関連について考えを進めていきたい.
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