Japanese
English
Bedside Teaching
呼吸器疾患における栄養療法のエビデンス
The Evidence of Nutritional Support in Patients with Respiratory Disease
吉川 雅則
1
,
木村 弘
1
Masanori Yoshikawa
1
,
Hiroshi Kimura
1
1奈良県立医科大学内科学第二講座
1Second Department of Internal Medicine, Nara Medical University
pp.189-197
発行日 2012年2月15日
Published Date 2012/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101892
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はじめに
呼吸器疾患における栄養障害の合併が病態や予後に悪影響を及ぼすことは,かなり以前より指摘されていた.慢性呼吸器疾患では慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;COPD)を主体として検討が進められてきたが,COPDが全身性疾患であるとの認識1,2)が広まるとともに栄養管理に対する注目が高まっている.また,急性あるいは重症病態として急性肺損傷(acute lung injury;ALI)/急性呼吸窮迫症候群(acute respiratory distress syndrome;ARDS)や人工呼吸管理下の栄養管理も問題となってきた.近年,栄養サポートチーム(nutritional support team;NST)の活動が全国的に広がりをみせ,呼吸器疾患患者も栄養治療介入の対象となる機会が増加している.一方,呼吸器疾患における栄養治療のエビデンンスは確立されておらず,さらなる研究成果の集積が必要とされている.
本稿では,栄養管理が重視される代表的慢性呼吸器疾患としてCOPDを取り上げ,さらに急性呼吸不全や重症病態を呈する疾患としてALI/ARDSに関しても,現時点でのコンセンサスを各種ガイドラインをふまえて記述する.
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