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特集 呼吸不全を来す難治性呼吸器疾患克服への取り組み
原発性肺胞低換気症候群・肥満低換気症候群
Obesity Hypoventilation Syndrome and Congenital Central Hypoventilation Syndrome
山内 基雄
1
,
吉川 雅則
1
,
木村 弘
1
Motoo Yamauchi
1
,
Masanori Yoshikawa
1
,
Hiroshi Kimura
1
1奈良県立医科大学内科学第二講座
1Second Department of Internal Medicine, Nara Medical University
pp.145-148
発行日 2011年2月15日
Published Date 2011/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101631
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はじめに
肥満低換気症候群(obesity hypoventilation syndrome;OHS)は著明な肥満と日中覚醒時の高炭酸ガス血症を呈する症候群である.しかし,その定義は曖昧であり,国際的に統一されたものはない.さらに1999年のAmerican Academy of Sleep Medicine(AASM)によるtask forceではOHSは明確には定義されておらず睡眠低換気症候群(sleep hypoventilation syndrome;SHVS)のなかに含まれている1).米国とわが国とで肥満の定義に相違があるなかで,1997年に厚生省研究班がわが国に沿ったOHSの定義を発表した2).本稿ではOHSの定義,病因病態生理,疾患の特徴,治療法などについて概説する.
一方,原発性肺胞低換気症候群(congenital central hypoventilation syndrome;CCHS)は非常に稀な疾患である.近年,その病因としてPHOX2B遺伝子変異の関与が示唆されているが,その病因病態生理は明らかではない.本稿の後半ではCCHSについても少し触れておきたい.
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