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綜説
心房細動治療ガイドライン
Considerations on Guidelines for Pharmacotherapy of Atrial Fibrillation(JCS2008)
山下 武志
1
Takeshi Yamashita
1
1(財)心臓血管研究所附属病院循環器科
1Department of Cardiology, The Cardiovascular Institute Hospital
pp.65-73
発行日 2010年1月15日
Published Date 2010/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101408
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心房細動治療(薬物)ガイドラインの現況
本稿では,日本循環器学会より公表されている最新の「心房細動治療(薬物)ガイドライン(2008)」1)について記載するが,その前に本ガイドラインの歴史上の成り立ち,現在の位置付けについて記したい.
心房細動は100年以上もの古い歴史を持つ不整脈であり,その治療は長らく経験的な原則を主体としたものであった.そのような中,社会の高齢化とともに,主に神経内科領域における疫学研究を発端として,心房細動が重篤な心原性脳梗塞を引き起こすことが広く認知されるようになり,初めて心房細動の標準的な治療が問われるようになった.この動きは全世界共通であり,その結果として2001年に欧米ではACC/AHA/ESCが共同で心房細動管理ガイドライン2)を発表し,僅かに1カ月遅れで日本循環器学会が心房細動治療ガイドライン(2001)3)を発表した.しかし,ほぼ同時期に発表されたガイドラインとはいえ,その内容は両者で大きく異なっていたことは意外に知られていない.
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