Japanese
English
Bedside Teaching
心房細動の治療開始に症状の有無は必要か
Management of Atrial Fibrillation:important role of patients'QOL
山下 武志
1
Takeshi Yamashita
1
1心臓血管研究所第3研究部
1The Cardiovascular Iustitute
pp.829-835
発行日 2002年8月15日
Published Date 2002/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902520
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はじめに
最近になり,心房細動は「古くて新しい不整脈」として以前にもまして注目されるようになった.社会の高齢化により,この不整脈に遭遇することが実地臨床で多くなったことはすでにお気付きのことと思う.一方で,この不整脈は,不整脈自体として問題となるばかりか,この不整脈に付随する脳梗塞発症の危険性増大が,むしろ医師にも患者にも重大な心配要素となってきている.ある意味,患者のADL低下という点では心房細動自体よりもそれに伴い発症する脳梗塞のほうが重篤であろう.さらに治療に目をむけると,この不整脈を治療する際に用いることのできる臨床データやツールも集積しつつあり,一昔前とは全く違う局面を呈してきている.
このようななかで,2001年には欧米,本邦のいずれにおいても相次いで心房細動の治療ガイドラインが発表され1,2),さらに本年春,待ち望まれていたAFFIRM(Atrial Fibrillation Follow-upInvestigation of Rhythm Management)studyの結果も発表された.これらから総合すると,すべての結果が患者のQOLを心房細動治療における重要な因子としてとらえていることを推し量ることができる.今あらためて,心房細動の治療方針を再考する必要にせまられている.
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