Japanese
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特集 肺癌診療の進歩
外来化学療法の現状と課題
Current Status and Perspective of Outpatient Chemotherapy
山下 要
1
,
山田 忠明
1
,
笠原 寿郎
2
,
矢野 聖二
1
Kaname Yamashita
1
,
Tadaaki Yamada
1
,
Kazuo Kasahara
2
,
Seiji Yano
1
1金沢大学附属病院がん高度先進治療センター
2金沢大学附属病院呼吸器内科
1Kanazawa University Hospital Cancer Center, Kanazawa University
2Department of Respirately Medicine, Kanazawa University Hospital, Kanazawa University
pp.1245-1248
発行日 2008年12月15日
Published Date 2008/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101166
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はじめに
肺癌に限らず,外科的切除のみで治癒可能な癌症例は一部であり,多くの症例では化学療法を含む治療法が選択される.しかし,薬物,放射線治療で治癒が高い確率で期待できるのは,造血器腫瘍を含む一部の癌種に限られる.したがって,「残された時間をいかに長く,かつQOLの維持されたものにするか」が癌治療の当面の目標となり,癌治療を外来で行うことの意義は極めて重要である.
外来化学療法はこれまでにも各診療科外来を中心に行われてきたが,最近の最も大きな変化は外来化学療法室設置の普及である.2002年に外来化学療法加算が認められたことが大きな要因となっているが,他にもDPC制度が大学病院などの大規模病院に導入されたことや,外来化学療法室の設置ががん診療連携拠点病院認定の要件となっていることが挙げられよう.当院では2006年5月に外来化学療法室が開設され,最近になって点滴治療の延べ件数が1万件を超えた.本稿では当院外来化学療法室の運営状況を紹介し,今後の課題について述べる.
肺癌に対する標準的薬物療法それ自体の詳細については他稿を参照されたい.
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