Japanese
English
特集 遠隔リハビリテーション治療・支援のさらなる展開
現状と課題
Telerehabilitation, Current Status and Issues
長谷川 高志
1
Takashi Hasegawa
1
1特定非営利活動法人日本遠隔医療協会
1Japan Telemedicine Society
キーワード:
遠隔医療
,
医学的管理
,
監視型運動療法
,
グループ療法
Keyword:
遠隔医療
,
医学的管理
,
監視型運動療法
,
グループ療法
pp.251-256
発行日 2023年3月10日
Published Date 2023/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202768
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はじめに
日本国内の遠隔医療の取り組みは1990年代に遠隔放射線画像診断から普及が始まり,遠隔診療(現オンライン診療)も1990年代半ばには研究が始まり,1997年には厚生省(当時)からの医師法解釈に関する通知が発行され,制度確立の動きが始まった.遠隔放射線画像診断などの静止画伝送を支える情報通信技術の発展と低価格化が先行したが,オンライン診療の基礎となる動画像通信技術が実用的水準に到達するまで時間を要し,医師法や診療報酬上で厳しい扱いが長期に続いた.新型コロナウイルス感染症の大流行に際して進められた時限的特例的取扱で状況は一変して,オンライン診療(電話等再診)での初診や医学管理が解禁され,実施規模が急拡大した.
遠隔リハビリテーションは,遠隔医療の一分野として研究報告が多数あるが,現場に展開できるほど整備された手法は限られ,制度面の検討も進んでいない.新型コロナウイルス感染症の大流行に際して進んだ制度改定も,初診や急性期治療および慢性疾患の医学管理における遠隔医療に限られた.新型コロナウイルス感染症の大流行による受診自粛がリハビリテーション患者に悪影響を及ぼすので,遠隔医療が期待されたが発展につながらなかった.
そして新型コロナウイルス感染症大流行に伴う制度改定が急性期に限られたことで,遠隔医療の伸び悩みが見受けられるようになった1)回復期や維持期での活用が期待されるリハビリテーションの遠隔医療のための制度などについて基本的な課題を検討する.
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