Japanese
English
Bedside Teaching
肺炎球菌ワクチンのエビデンス
Evidence for Pneumococcal Vaccines
伊藤 穣
1
,
三嶋 理晃
1
Yuzuru Itoh
1
,
Michiaki Mishima
1
1京都大学医学部附属病院呼吸器内科
1Department of Respiratory Medicine, Kyoto University Hospital
pp.505-508
発行日 2008年5月15日
Published Date 2008/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101036
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はじめに
抗生物質の導入により,肺炎球菌感染症の頻度は減少してきたものの,現在でも肺炎,中耳炎,髄膜炎などの感染症の最も代表的な起因菌である.乳幼児のみでなく高齢者においてもその頻度は高く,特に肺炎は高齢者の死因として重要で,肺炎球菌の制御は大きな課題である.肺炎球菌感染症は重症化しやすく,肺炎患者の15~30%に菌血症を併発し,菌血症での死亡率は約20%にものぼる.さらに,近年ペニシリンやマクロライド系薬に対する耐性化も問題になっている.高齢化とともに増加する肺炎球菌性感染症の治療に対する医療コストの観点からも,その予防としてのワクチン療法の重要性が増してきている.肺炎球菌ワクチンには23価莢膜多糖体ワクチン(23-valent pneumococcal polysaccharide vaccine,ニューモバックス®)と7価コンジュゲートワクチン(7-valent pneumococcal conjugate vaccine,Prevenar®)がある.
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