特集 高齢者医療ハンドブック―高齢者医療におけるダイバーシティへの対応
第Ⅸ章 高齢者における薬剤使用の注意点
10.肺炎球菌ワクチン
長谷川 直樹
1
Naoki HASEGAWA
1
1慶應義塾大学医学部感染制御センター
pp.951-954
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_951
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Summary
▪肺炎球菌は市中肺炎および医療介護関連肺炎における最も頻度の高い起因菌である.また,インフルエンザ罹患後の二次性肺炎の重要な起因菌である.
▪2014年10月以後,肺炎球菌ワクチン(PPV23)は65歳以上の高齢者に定期接種化(B類)され,公費負担制度が導入された.
▪肺炎球菌ワクチンにはPPV23のほかにキャリア蛋白を抗原である莢膜多糖に結合型させた任意接種の13価の結合型ワクチン(PCV13)が存在する.いずれも安全性は高い.
▪肺炎球菌に対するよりよい免疫を獲得するため,現在この2種種類の肺炎球菌ワクチンを併用することが推奨されている.
▪ワクチンに含まれない血清型の肺炎球菌による感染症が増えている.
© Nankodo Co., Ltd., 2018