CKD患者に推奨されるワクチン接種
肺炎球菌ワクチン
安藤 亮一
1
1清湘会東砂病院腎臓内科
キーワード:
CKD・透析患者における疫学
,
ワクチンの有用性
,
接種頻度
,
経費
,
副反応
Keyword:
CKD・透析患者における疫学
,
ワクチンの有用性
,
接種頻度
,
経費
,
副反応
pp.98-102
発行日 2022年1月10日
Published Date 2022/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002018
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肺炎球菌は上気道に常在するグラム陽性双球菌で,βラクタム薬の標的となる細胞壁の外側にあり,治療抵抗性の一因となっている莢膜の性質により93種類の血清型がある.成人の保菌率は5〜10%に対して,小児では20〜40%と高率にみられ,小児から成人に伝播することが問題となる.伝播の経路は,おもに飛沫感染である.肺炎球菌は成人の市中肺炎の約30%,髄膜炎の約60〜80%といずれも最も多い起炎菌であり,膿胸,中耳炎,副鼻腔炎,心内膜炎,化膿性関節炎,骨髄炎,蜂窩織炎,腹膜炎,子宮内膜炎,敗血症などの原因となる.肺炎球菌感染症のうち,髄液または血液などの無菌部位から菌が検出された感染症を侵襲性肺炎球菌感染症といい,感染症法上の5類全数疾患(確定患者,死亡者を診断した医師は7日以内に届け出る)となっている.予後は不良であり,死亡率が22%という報告もある.
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