特集 呼吸器感染症診療の最前線—症例から学ぶエキスパートの視点
Ⅲ.肺炎
肺炎球菌ワクチン
丸山 貴也
1
1国立病院機構三重病院呼吸器内科
pp.246-253
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1437200354
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Point
・高齢者に使用できる肺炎球菌ワクチンには23価莢膜多糖体型肺炎球菌ワクチン(PPSV23)と13価蛋白結合型肺炎球菌ワクチン(PCV13)の2種類があり,それぞれ免疫力と莢膜型のカバー率に違いがある.
・高齢者の肺炎予防には,インフルエンザワクチンとPPSV23の両接種が推奨される.
・小児に対するPCV13の普及に伴い莢膜型の置換が進行し,小児,成人ともにPCV13のカバー率が低下している.
・PCV13とPPSV23の連続接種(PCV13/PPSV23)は,両ワクチンの長所を生かすことでより強力な予防効果が期待される.わが国の現状では65歳以上の高齢者のなかで肺炎球菌感染症のリスク症例(特に免疫抑制患者)が接種対象と考えられる.
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