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Bedside Teaching
医療被ばくの軽減について
Radiation Safety in Interventional Radiology
山下 尋史
1
Hiroshi Yamashita
1
1東京大学大学院医学系研究科循環器内科
1Department of Cardiovascular Medicine, Graduate School of Medicine, University of Tokyo
pp.509-514
発行日 2008年5月15日
Published Date 2008/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101037
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はじめに
近年,画像診断機器や技術の進歩に伴い,X線透視下で治療を行うインターベンショナル・ラジオロジー(interventional radiology;IVR)が長足の進歩を遂げ,様々な疾患の治療に応用されるようになった.広く普及している例としては,冠動脈疾患に対する経皮的冠動脈インターベンション,不整脈に対するカテーテル・アブレーション,肝細胞癌に対する肝動脈塞栓術,頸動脈に対するステント留置術,脳動脈瘤に対するコイル塞栓術などが挙げられるが,外科手術よりも低侵襲である利点を活かして,高齢者やハイリスク症例にも治療を行うことができるようになった.
その一方で,1)長時間の透視や頻回の撮影による被ばく線量の増加や,2)再狭窄や再発に対して治療を反復することによる累積被ばく線量の増加によると考えられる放射線皮膚障害が1990年代より報告されるようになった1,2).この状況を鑑み,国内外の多くの関係学会から被ばく線量低減のためのガイドラインが策定されている3~6).
本稿では,実地診療に役立つ基礎知識として,放射線皮膚障害の実際と被ばく軽減の方策を解説する.
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