Japanese
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特集 呼吸器感染症―最新の話題
肺炎球菌
Streptococcus pneumoniae
伊藤 穣
1
,
三嶋 理晃
1
Yutaka Ito
1
,
Michiaki Mishima
1
1京都大学医学部附属病院呼吸器内科
1Department of Respiratory Medicine, Kyoto University Hospital
pp.119-123
発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100246
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はじめに
肺炎球菌は市中肺炎で最も高頻度に分離される呼吸器感染症の主要な原因微生物である.その主たる病原因子は莢膜多糖体であるが,その他にも細胞壁や様々な蛋白についても研究がなされてきている.臨床上は1990年代より急激に増加してきているペニシリン耐性肺炎球菌(penicillin-resistant Streptococcus pneumoniae:PRSP)が問題になっているが,近年ではさらにマクロライド薬やフルオロキノロン薬にも耐性を獲得し,多剤耐性化した肺炎球菌(drug-resistant Streptococcus pneumoniae:DRSP)が注目されている.薬剤耐性菌が増加するにつれ,感染のコントロールに今後はワクチン療法が重要な位置を占めると考えられている.現在,肺炎球菌ワクチンは莢膜多糖体を含む多価ワクチンが本邦では使用されているが,さらに蛋白結合ワクチンが開発され欧米では実用化されている.
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