Japanese
English
特集 肺構造の変性と修復
気管支喘息の気道リモデリングの機序
Mechanism of Airway Remodeling in Asthma
菊池 好晃
1
,
滝沢 始
1
Yoshiaki Kikuchi
1
,
Hajime Takizawa
1
1東京大学大学院医学系研究科呼吸器内科学
1Department of Respiratory Medicine, Graduate School of Medicine, The University of Tokyo
pp.673-677
発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100683
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はじめに
気管支喘息の疾患概念は,かつての気管支平滑筋収縮による気道の可逆的閉塞1)から慢性炎症による組織障害を主体とする考え方へと変化してきた.そして,繰り返される気道上皮細胞の傷害の結果生じる現象として気道リモデリングという概念が生まれてきた.
一般に,気管支喘息における気道リモデリングとは,下記のような病理組織的変化を総称したもので,喘息症状の持続,不可逆性の気道閉塞をもたらす気道粘膜病変として考えられている.
①気道上皮細胞の脱落
②粘液産生細胞(杯細胞)の過形成
③筋線維芽細胞の過形成
④基底膜下組織の線維化
⑤気道平滑筋細胞の過形成と肥大
このような変化は,炎症の繰り返しによって生じる気道粘膜の傷害から修復する過程で,正常な修復がなされないことによって生じると現在では考えられるようになった.
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