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特集 気管支喘息の最新の話題
CT画像による気道リモデリングの評価
Assessment of Airway Remodeling in Asthma with Computed Tomography Imaging
新実 彰男
1
Akio Niimi
1
1京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学
1Department of Respiratory Medicine, Graduate School of Medicine Kyoto University
pp.161-166
発行日 2012年2月15日
Published Date 2012/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101887
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はじめに
リモデリングとは,生体の組織が何らかの傷害を被った後で修復する際の機能障害を伴う不全修復状態を指す.喘息における気道リモデリングの病理所見には,上皮基底膜網状層や上皮下組織などへの細胞外基質の沈着,気道平滑筋の肥大増生,気管支粘膜下腺の増生,上皮杯細胞の増生,血管新生,気道壁全体の肥厚などがある1).いったん完成したリモデリングは吸入ステロイド(ICS)治療によっても改善しにくく,不可逆性の気流閉塞や喘息の難治化をもたらすことが近年認識され,リモデリングの防止は喘息治療の主要なエンドポイントのひとつとなった.
気道リモデリングの直接的評価には病理学的検討が必要であり,喘息死患者の剖検肺や肺癌などの手術目的で摘出された肺,および気管支鏡下の粘膜生検組織2)が用いられるが,前者では検体は偶発的にしか得られず,後者では検査の侵襲性が問題となる3).間接的評価法として,従来より診療目的にも用いられてきた呼吸機能検査(不可逆的気流閉塞の評価)に加えて,胸部CT画像が応用され始めている(表1)3,4).
本稿では,CT画像によるリモデリングの評価に関する知見を,当科の成績を中心に紹介する.
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