Japanese
English
特集 呼吸器疾患におけるアポトーシスの最新知見
喘息におけるアポトーシスとリモデリング
Apoptosis and Remodeling of Asthma
山下 直美
1
Naomi Yamashita
1
1武蔵野大学薬学部薬学研究所薬物療法学
1Institute of Pharmaceutical Sciences, Musashino University
pp.13-19
発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100137
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
喘息の病態形成にはアレルギー炎症と気道のリモデリングが重要な役割を果たしていることが明らかになり,治療のターゲットとして注目されてきている.気道リモデリングはアレルギー炎症に続く不完全な修復過程に起こる気道の構造的変化で,喘息の難治化に関与している.アポトーシスと喘息との関連が注目されるようになったのは,まずアレルギー炎症のエフェクター細胞として中心的な役割を果たしている好酸球の寿命延長が喘息気道局所で惹起されており,そのメカニズムがアポトーシスの阻害であることが示されたことに始まる.さらに最近,気道上皮細胞,平滑筋細胞のアポトーシス阻害が喘息の病態形成に関与していることが明らかにされてきた.特に気道上皮細胞および平滑筋細胞など気道を構成している細胞の変化は気道リモデリングにつながる.
本稿ではアポトーシスの喘息病態形成における役割について最近の知見を概説する.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.