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特集 呼吸器疾患のガイドラインをめぐって
間質性肺炎のガイドライン―特発性間質性肺炎(IIPs)第四次改訂診断基準および治療指針を中心に
Guidelines for the Management of IIPs
臼杵 二郎
1
,
吾妻 安良太
1
,
工藤 翔二
1
Jiro Usuki
1
,
Arata Azuma
1
,
Shoji Kudoh
1
1日本医科大学第4内科
1Fourth Department of Internal Medicine, Nippon Medical School
pp.1017-1026
発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100549
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診断基準
わが国における特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonia:IIP)では,これまで臨床病理学的概念による名称が臨床診断名としてそのまま使用されてきた.1991年改訂厚生省研究班第三次診断基準ならびにこれに基づく疾患分類(診断名)では,IIPを慢性型と急性型に分け,慢性型をさらにA,Bの2群に分類していた1).その後,高分解能CT(high-resolution CT:HRCT)や血清マーカーあるいは胸腔鏡下肺生検などの導入に伴い,従来の分類にあてはまらない疾患単位の存在が明らかとなり,これらの疾患への理解が深まっていった.そこで,新たな疾患概念を包括した診断基準の改訂の必要性が高まった.
一方,欧米においてはATS(米国胸部学会)とERS(欧州呼吸器学会)の合同委員会が特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis:IPF)についてのコンセンサスステートメントを2000年に発表した2).当時,菅らの日本呼吸器学会評議員を対象としたアンケートによると,従来の診断基準を常に使っているのはわずか40%弱であり,約80%が欧米における名称との統合を望む結果であった3).2002年には,IPFを含むIIPについての欧米のコンセンサスステートメントが発表され4),わが国においてもこれを睨みながら第四次診断基準改訂作業が進められた.
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