Japanese
English
Bedside Teaching
間質性肺炎—特発性間質性肺炎(IIP)を中心に
Interstitial Pneumonia
川上 義和
1
,
棟方 充
1
Yoshikazu Kawakami
1
,
Mitsuru Munakata
1
1北海道大学医学部第1内科
11st Dept. of Intern. Med., Hokkaido Univ.
pp.867-874
発行日 1983年8月15日
Published Date 1983/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204281
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呼吸困難を主訴とし,胸部レ線写真ではびまん性陰影を呈し.呼吸機能上はしばしば拘束性障害と肺拡散能力の低下を伴い,病理組織学的には肺胞中隔の炎症性細胞浸潤と結合織の増加を主病変とする一連の疾患を間質性肺炎として総称することが多い。この中には,無機および有機物質の吸入によるもの,薬物・毒物によるもの,放射線障害によるもの,感染症など原因の明らかなものや,膠原病に伴うものやサルコイドーシスのように全身疾患に随伴して出現する間質性肺炎の他に,いまだ原因不明の疾患があり,これを特発性間質性肺炎(IdiopathicInterstitial Pneumonia,以下IIPと略す)と呼んでいる。このIIPは,きわめて呼吸機能障害が強く,予後不良であり,診断および治療が難しい疾患である。
この疾患に関する研究は,1944年のHamman &Richらの最初の4症例の発表に端を発し,ほぼ40年間にわたり,数多くの知見が得られているが,近年,特に気管支肺胞洗浄(Bronchoalveolar Lavage,以下BALと略す)および開胸肺生検,経気管支肺生検(Transbronch—ial Lung Biopsy,以下TBLBと略す)などの普及につれて,その病因,病態などについての着実な進歩がみられている。
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