Japanese
English
Current Opinion
特発性間質性肺炎(IIPs)のATS/ERS国際分類(2002)―UIPの病理診断を中心に
ATS/ERS International Multidisciplinary Consensus Classification of the Idiopathic Interstitial Pneumonias (IIPs):particulary on the pathologic diagnosis of usual interstitial pneumonia (UIP)
北市 正則
1
,
柳 重久
1,2
,
寺島 剛
1
,
笹尾 ゆき
1
Masanori Kitaichi
1
,
Shigehisa Yanagi
1,2
,
Tsuyoshi Terashima
1
,
Yuki Sasao
1
1京都大学医学部附属病院病理部
2宮崎大学医学部第三内科
1Laboratory of Anatomic Pathology, Kyoto University Hospital
2Department of Internal MedicineⅢ,University of Miyazaki
pp.413-417
発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100290
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
特発性間質性肺炎の国際分類をめぐる最近1年間の話題
間質性肺炎は肺胞壁を基本的な病変の場とする非肉芽腫性のびまん性炎症性線維化肺疾患であり,病変内では既存の肺胞壁の弾性線維は融解消失傾向を示す1~4).この領域では,肺疾患の病理所見のほとんどが剖検症例で検討された時代から,1970年以降の外科的肺生検症例での検討が可能となった時代への進展とともに,種々の知見が発表された.
このような動きを背景として,米国胸部学会(ATS)と欧州呼吸器学会(ERS)の共同で1998年4月から作業が開始され,特発性間質性肺炎の国際分類が2002年1月に刊行された5).この分類では,組織パターンとして相対的な頻度が高い順に(1)UIP,(2)NSIP,(3)OP,(4)DAD,(5)RB,(6)DIP,(7)LIPを取り上げ,それぞれ総合診断名(臨床・画像・病理診断名)の(i)IPF/CFA,(ii)NSIP(provisional),(iii)COP/idiopathic BOOP,(iv)AIP,(v)RB-ILD,(vi)DIP,(vii)LIPに対応するとの考え方を示している(表1)5).このステートメントの最も重要なメッセージは「特発性間質性肺炎は異なった予後を示す幾つかの臨床病理学的疾患単位から構成されている」ということである.この国際分類(2002)では,usual interstitial pneumonia(UIP)をどのように認識し,診断するかの問題が最重要課題であるため,本稿ではUIPの病理診断を中心に解説する.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.