Japanese
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特集 呼吸器疾患の自然歴
特発性間質性肺炎
Idiopathic interstitial pneumonia
木村 郁郎
1
,
多田 慎也
1
Ikuro Kimura
1
,
Shinya Tada
1
1岡山大学医学部第2内科
1The 2nd Department of Medicine, Okayama University Medical School
pp.941-947
発行日 1988年9月15日
Published Date 1988/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205319
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I.特発性間質性肺炎
1.緒言
特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumo—nia:IIP)は,従来肺線維症と総称されていた間質性肺炎の中で,基礎疾患あるいは原因の明らかなものを除き,急性の経過で発症する病態から慢性の経過で発症し再燃増悪をくり返し,呼吸不全となるものまで多様な病像を包含している。病理学的には肺胞領域における間質,すなわち胞隔部分の炎症とそれに伴う線維化(線維芽細胞の増殖と膠原線維の増加)が種々の程度に存在する。本症は比較的稀な疾患で,原因は不明であり,病態に関する多くの報告も一定でなく,病態の複雑さによるものか,病変の進行に伴う二次的なものを表すかは明らかでない。そのため、本症の根本的治療法は確立されておらず,ステロイド剤が抗炎症作用や免疫抑制作用を期侍して,使用されているのが現状である。
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