Japanese
English
Bedside Teaching
上気道疾患を見落とさないために
Be Careful not to Overlook the Upper and Central Airway Diseases
北里 裕彦
1
,
星野 友昭
1
,
相澤 久道
1
Yasuhiko Kitasato
1
,
Tomoaki Hoshino
1
,
Hisamichi Aizawa
1
1久留米大学医学部第一内科
1First Department of Internal Medicine, Kurume University School of Medicine
pp.951-955
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100365
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はじめに
上気道とは解剖学的には鼻腔・咽頭・喉頭の領域を指すが,肺機能上の定義では気管までを含めた中枢気道を上気道とすることが多い1~3)(以下,本稿での上気道の定義は,この肺機能上の定義によるものとする).この領域には耳鼻咽喉科的疾患や呼吸器科的疾患などバラエティに富む種々の疾患を生じうるが,頻度的には「かぜ症候群」に代表される急性上気道炎が大部分であるため,ともすれば軽視されがちであること,腫瘍などによる気道狭窄と気管支喘息は症状的に鑑別がつきにくいケースがあること,胸部X線写真ではこれらの領域は縦隔や脊椎の陰影と重なるため識別しにくいこと,などの状況が重なってピットフォールとなりやすく,診察・診断にあたっては十分な注意が必要とされるべきものである.
本稿では,これら多彩な上気道疾患群について,われわれの自験例を交えつつ概説し,診断のポイントを列挙することとしたい.
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