Japanese
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Current Opinion
高齢者の抗凝固療法
Anticoagulation Therapy in the Elderly
早川 恵子
1
,
赤石 誠
2
Keiko Hayakawa
1
,
Makoto Akaishi
2
1慶應義塾大学医学部呼吸循環器内科
2北里研究所病院内科循環器科
1Cardio-pulmonary division, Keio University School of Medicine
2Cardiology,dept of Medicine, The Kitasato Institute Hospital
pp.957-961
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100366
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抗凝固療法をめぐる最近の話題
近年,心原性脳梗塞が注目され,その予防として心房細動の抗凝固療法が話題になっている.心房細動自体では心臓死に至ることはなく,心房細動の予後改善のための治療の目的は脳血栓塞栓症の予防であるといっても過言ではない.
塞栓症の危険因子を有する心房細動患者の血栓塞栓症の予防における抗凝固療法の有効性はもはや誰も異論をさしはさむものはいない.特に高齢者は塞栓症の高リスク群であり,適量のワルファリン治療が極めて有効であることが大規模研究により示されている.しかし,いくつもの調査研究1)において,高齢者では抗凝固療法はわずか20%程度しか実施されていないということが示され,多くのエビデンスと現実の乖離が問題視されている.
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