Japanese
English
特集 肺疾患の炎症メカニズムとその制御
COPDにおける炎症と新しい治療薬
Pulmonary Inflammation and New Drugs for COPD
星野 友昭
1
,
北里 裕彦
1
,
今岡 治樹
1
,
木下 隆
1
,
加藤 誠也
2
,
渡辺 憲太朗
3
,
相澤 久道
1
Tomoaki Hoshino
1
,
Yasuhiko Kitasato
1
,
Haruki Imaoka
1
,
Takashi Kinoshita
1
,
Seiya Kato
2
,
Kentaro Watanabe
3
,
Hisamichi Aizawa
1
1久留米大学医学部第1内科
2久留米大学医学部病理学
3福岡大学医学部呼吸器科
1First Department of Internal Medicine, Kurume University School of Medicine
2Department of Pathology, Kurume University School of Medicine
3Division of Respiratory Medicine, Fukuoka University
pp.235-240
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100169
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はじめに
Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease(GOLD)で示されているように,COPD(慢性閉塞性肺疾患:chronic obstructive pulmonary disease)は世界の死亡原因の第4位であり,有病率,死亡率,社会的経済負担が増加傾向にある1).アメリカでは入院患者総数の13%である1,600万人を超えている.特に中国では次の半世紀にはCOPDによる毎年150万人の死亡が予期されている2).また,わが国においてもCOPD患者は約530万人と推定されており,社会経済的にも大きな問題になると予想されている3).
COPDの機序は未だ完全には解明されておらず,その根本的な治療法はなく対症療法が主体であるが,発症に関しては喫煙が最も重要であり,発症機序の解明の如何にかかわらず禁煙が最も有効な予防法であることが知られている.しかしながら,COPDの治療・管理において大きな問題となっているのは,その進行を完全には止める治療法がないことである.したがって,COPDの早期発見,進行予防と,より良い管理の確立は急務である.COPDの炎症の持続機序の解明とその制御がCOPDを重症化させないためには不可欠と考えられる.
本稿ではCOPDの炎症に言及し,新規治療薬について解説したい.
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