Japanese
English
Current Opinion
肺癌の治療―化学療法を中心として
Chemotherapy for Lung Cancer
三藤 久
1
,
益田 典幸
1
Hisashi Mitsufuji
1
,
Noriyuki Masuda
1
1北里大学医学部内科学Ⅴ
1Department of Internal MedicineⅤ, Kitasato University School of Medicine
pp.847-852
発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100350
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肺癌の治療をめぐる最近1年間の全般的話題
肺癌患者は依然として増加傾向にあり,また,その死亡数も増えている.肺癌は5年生存率が14%に過ぎない難治性の癌の一つであり,2010年には肺癌による死亡者数は年間10万人を超えると予想されており,より有効な治療方法の開発が急務となっている.本稿では肺癌の治療をめぐる最近1年間の話題に関して化学療法を中心に述べる.
近年,様々な疾患の治療方針に関してevidence based medicine (EBM)に基づいたガイドラインが各専門学会から提示されている.肺癌の治療に関しても同様である.1997年にAmerican Society of Clinical Oncology(ASCO)より,切除不能な非小細胞肺癌(NSCLC)症例に対する治療のガイドライン1)が発表され,2003年にその改定版2)が発表された.また,本邦においても,昨年厚生労働省医療技術評価総合研究事業「EBMの手法による肺癌の診療ガイドライン策定に関する研究」研究班(藤村重文班長)による「EBMの手法による肺癌診療のガイドライン」3)が出版された.また,本年3月には日本放射線科専門医会・医会より放射線診療ガイドライン策定事業の一環として放射線腫瘍学を専門とする放射線科専門医のワーキンググループ(委員長:西村恭昌)によってやはりEBMの手法に準じて策定された放射線治療計画ガイドライン2004(http://web.sapmed.ac.jp/radiol/guideline/)が発表され,そのなかで肺癌の放射線治療に対して参考となる指針を提示している.
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