臨床講座=癌化学療法
肺癌の化学療法
井上 雄弘
1,2
,
小川 一誠
1,2
Katsuhiro INOUE
1,2
,
Makoto OGAWA
1,2
1癌研究会附属病院・化学療法科
2癌化学療法センター臨床部
pp.1118-1121
発行日 1980年7月10日
Published Date 1980/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216607
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はじめに
肺癌の中で,小細胞癌small cell carcinoma(SCC)は化学療法や放射線療法に反応しやすく,その他の組織型(腺癌,扁平上皮癌,大細胞癌)は化学療法に反応しにくいためnon-small cell carcinoma(NSCC)として,一括して取り扱われることが多い.SCCはNSCCに比し治療に反応しやすいが,一面細胞増殖が早く,早期に所属リンパ節および遠隔転移(骨髄,肝,脳など)を起こすという特徴をもっており,現在では白血病・悪性リンパ腫に準じた強力な化学療法(intensive chemotherapy)が施行されるようになっている.本論文では以上のことから,SCCとNSCCに分けて今日の化学療法の現況を概説することにしたい.
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