Japanese
English
Bedside Teaching
肺癌化学療法の最新の治療戦略
Chemotherapy for Advanced Non-small Cell Lung Cancer
高山 浩一
1
,
中西 洋一
1
Koichi Takayama
1
,
Yoichi Nakanishi
1
1九州大学大学院医学研究院附属胸部疾患研究施設
1Research Institiute for Diseases of the Chest, Kyushu University
pp.197-200
発行日 2009年2月15日
Published Date 2009/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101207
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はじめに
原発性肺癌による年間死亡者数は現在6万人を大きく超えており,今後も増加傾向が続くと考えられている.原発性肺癌の約8割を占める非小細胞肺癌は診断時に既に半数以上が進行期の状態にある.治療方針は原則として病期によって決定され,早期であれば手術療法,進行期にある場合は化学療法や放射線療法が実施されているが必ずしも満足できる成績が得られているわけではない.特に進行期肺癌の予後は著しく不良であり,その治療成績の改善が待望されている.進行期肺癌に対しては全身を治療できる化学療法が第一選択となる.化学療法に使用される抗癌剤はプラチナ製剤やタキサンに代表される細胞障害性薬剤とゲフィチニブなどの分子標的薬剤に分けられる.双方とも使用できる薬剤の種類が年々増えつつあり,どの薬剤をどの時期に使用すればよいかについてはむしろ混沌としてきている状況である.肺癌の治療方針については既にガイドライン1)が発表されているが,年々新たなエビデンスが蓄積される領域であり,実地医療においても常に最新の臨床試験の結果をふまえたうえで治療方針を決定することが重要と思われる.
本稿では,最新の臨床試験データを紹介しながら進行期非小細胞肺癌に対する治療戦略について概説する.
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