増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方
Ⅲ 呼吸器疾患治療薬
その他の呼吸器疾患
89.肺癌の化学療法
坂東 弘康
1
,
清水 英治
1
,
小倉 剛
1
1徳島大学医学部・第3内科
pp.1958-1959
発行日 1987年9月30日
Published Date 1987/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221209
- 有料閲覧
- 文献概要
肺小細胞癌
肺小細胞癌治療成績の向上は近年著しいが,これは多剤併用療法の導入による奏効率と延命効果の向上によるものである.小細胞癌では,病変の広がりを(同一照射野内にとどまっている)Limited Disease(LD)と,それを越えているExtensive Disease(ED)とに病期分類するのが一般的であり,LD症例においてとくに良好な成績が得られる.
現在の小細胞癌の標準的治療成績は,Aisnerらにより示されたState of the Artがよく用いられる.すなわち,Complete Response(CR)率35%(LD50%,ED25%),50%生存期間12カ月(LD14カ月,ED7カ月),3年生存率5〜10%(LD15〜20%,ED 0)であり,この成績よりも劣る治療法は適切ではないということである.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.