Japanese
English
Current Opinion
小細胞肺癌の化学療法
Chemotherapy for Small Cell Lung Cancer
米田 修一
1
Shuichi Yoneda
1
1地方職員共済組合埼玉診療所
1Saitama Clinic, The Mutual Aid Association of Prefectual Government Personnel
pp.515-519
発行日 2008年5月15日
Published Date 2008/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101038
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小細胞肺癌の化学療法をめぐる最近1年間の全般的な動向とガイドライン
ここ1,2年の小細胞肺癌の化学療法に関する文献を検索した.全体として画期的な成果には乏しいが,イリノテカン,トポテカン(ノギテカン)やアムルビシンなどを用いた化学療法や,放射線との併用療法に関するエビデンスが少しずつ積み上げられている.分子標的治療薬については,非小細胞肺癌に対する効果が続々と明らかになっているが,小細胞肺癌における臨床試験の結果は残念ながら否定的なものが多い.
最近改訂されたガイドライン1,2)において,シスプラチンまたはカルボプラチンを含む併用療法,特にシスプラチンとエトポシドの併用(PE)が限局型,進展型のいずれにおいても小細胞肺癌に対する国際的な標準的化学療法である.この状況は1980年代からあまり変わっていない.進展型小細胞肺癌においてはイリノテカンとシスプラチンの併用(IP)も標準的治療の一つになっているが,PEとIPのどちらが優れているかについてはまだ結論が出ていない.また,日本ではアムルビシンとシスプラチンの併用の第II相試験で優れた成績が報告されていることから,JCOG(Japan Clinical Oncology Group)は2007年に進展型小細胞肺癌に対するアムルビシン+シスプラチン対IPの比較第III相試験(JCOG0509)を開始した.
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