Japanese
English
綜説
サイトカインと肺疾患
Cytokines and Lung Diseases
桑野 和善
1
,
萩本 直樹
1
,
井上 博雅
1
,
中西 洋一
1
Kazuyoshi Kuwano
1
,
Naoki Hagimoto
1
,
Hiromasa Inoue
1
,
Yoichi Nakanishi
1
1九州大学大学院医学研究院附属胸部疾患研究施設
1Research Institute for Diseases of the Chest, Graduate School of Medical Sciences, Kyushu University
pp.271-278
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100270
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はじめに
サイトカインとは,様々な細胞において産生され,生理的なあるいは疾患における生体機能のシグナル伝達に関与する蛋白分子である.その機能は細胞表面に存在するレセプターとの結合を介して実行されるため,その結合を制御することによってサイトカインのシグナル伝達を制御することが可能である.ただ,単一の刺激で多くのサイトカインが産生され,単一のサイトカインの機能は多岐にわたる.さらに,複数のサイトカインの機能が重複しお互いの作用を補足する.したがって,サイトカインの機能の解析と制御は容易ではないが,その複雑な機構によって免疫と炎症という生体の基本的防御機構を制御する極めて重要な分子機構である1).
本稿では,炎症性肺疾患の病態におけるサイトカインの役割について概説する.
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