Japanese
English
綜説
循環器とレプチン―選択的レプチン抵抗性
Cardiovascular System and Leptin: Selective leptin resistance
中所 英樹
1
,
益崎 裕章
1
,
宮澤 崇
1
,
海老原 健
1
,
中尾 一和
1
Hideki Chusho
1
,
Hiroaki Masuzaki
1
,
Takashi Miyazawa
1
,
Ken Ebihara
1
,
Kazuwa Nakao
1
1京都大学大学院医学研究科臨床病態医科学・内分泌代謝内科
1Department of Medicine and Clinical Science, Kyoto University Graduate School of Medicine
pp.279-284
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100271
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はじめに
近年,わが国において,過食や運動習慣の低下などの生活習慣の変化に伴い肥満の発症頻度が増加してきている.肥満は,高血圧,糖尿病,高脂血症などの生活習慣病を伴って種々の動脈硬化性疾患の発症と進展につながることが1980年代後半からReaven1),Kaplan2),DeFronzo3),松澤4)らによって提唱され,最近はメタボリックシンドロームとして総称されている5).メタボリックシンドロームの病態基盤の一つとして脂肪細胞から分泌される生理活性物質(アディポサイトカイン)が注目されている.従来,脂肪組織は過剰なエネルギーを中性脂肪として蓄積する受動的エネルギー貯蔵臓器としてのみ考えられていたが,レプチンが1994年に発見されたのを契機に,脂肪組織が様々なアディポサイトカインを分泌し,積極的に全身に向けて情報を発信する生体最大の内分泌臓器であることが明らかになってきている.
本稿では,アディポサイトカインのプロトタイプ,レプチンの心血管系における作用に関して概説する.
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