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特集 レニン・アンジオテンシン系と臓器保護
レニン・アンジオテンシン系と糖代謝領域(インスリン抵抗性)
Glucose Metabolism(Insulin Resistance)
浦 信行
1
,
山岸 優雅
1
Nobuyuki Ura
1
,
Yuka Yamagishi
1
1札幌医科大学第二内科
1The Second Department of Internal Medicine, Sapporo Medical University School of Medicine
pp.815-824
発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100080
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はじめに
高血圧,2型糖尿病,高脂血症,肥満は各々が動脈硬化の危険因子であり,また相互に合併しやすいことからメタボリックシンドローム(MS)を形成し,相乗的に動脈硬化性疾患の発症,増悪を招く.日本高血圧学会の高血圧治療ガイドライン2004にも新たにMSの項目が設けられ,MSの背景因子としてインスリン抵抗性が存在することも明記され,その管理や予防が重要視されている.インスリン抵抗性・代償性高インスリン血症は各種の機序を介して各々の疾病の発症,進展を惹起し,臓器障害を引き起こすが,レニン・アンジオテンシン系(RA系)は様々な段階でインスリン抵抗性,MS,臓器障害に関与している.また,糖尿病の発症,増悪に関しては,RA系のインスリン分泌能障害作用も報告されている.
本稿では,インスリン分泌能,高血圧,糖尿病の病態におけるインスリン抵抗性の関与,インスリン抵抗性におけるRA系の関与,インスリン抵抗性自体の動脈硬化への関与,RA系抑制薬による治療の意義を概説したい.
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