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特集 レニン・アンジオテンシン系と臓器保護
レニン・アンジオテンシン系と早朝高血圧
Renin-Angiotensin System and Morning Hypertension
宗像 正徳
1
Masanori Munakata
1
1東北労災病院勤労者予防医療センター
1Preventive Medical Center, Tohoku Rosai Hospital
pp.825-832
発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100081
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はじめに
早朝高血圧という言葉が極めて一般的になってきた.最近は,患者さんから,「先生,わたしはどうも早朝高血圧のようです」などといわれることがある.これだけ,朝の血圧が注目されるようになった理由は,早朝に心臓血管疾患が多発し,血圧もこの時間帯に高くなり,さらに,早朝の血圧が臓器障害や予後と密接に関連するというエビデンスが集積されてきたからである.さらに,病院で血圧が正常でも朝方はしばしば薬の効果がきれて実は高血圧になっていて危険である(仮面早朝高血圧)ということをメディアも取り上げ,一般人に注意を促したことも大きい.製薬メーカーも降圧薬の効果の持続性をアピールするために,早朝高血圧に対する優れた効果を強調するパンフレットを各種作成している.今や,早朝高血圧をコントロールしてあげないと患者さんが去っていく時代である1).
早朝高血圧の管理は高血圧診療に必須のスキルとなりつつある.日本は自由行動下血圧測定装置や家庭血圧計が早期より普及し,この方面でのエビデンスが蓄積されている.早朝高血圧については最近,学会,雑誌などでも話題となることが多いが2,3),本稿では,できるだけ,かたよりのないように早朝高血圧に関する情報を網羅すると同時に,高血圧診療における早朝高血圧の実践的なマネジメントに重点を置いて述べる.
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