胃と腸ノート
Gastritis erosiva及びGastritis verrucosaのX線像(2)―その① Gastritis erosiva
佐田 博
1
1早期胃がん検診協会
pp.800
発行日 1975年6月25日
Published Date 1975/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112382
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まず第1回は,消失型Gastritis erosivaである.本病変の内視鏡及び切除胃による形態的特徴は,“隆起の立ち上りはなだらかで背は低く,中心の陥凹は浅く周堤に比べ大きな面積比を占める”ことである.この特徴は図1,2,3のようにX線像としても比較的忠実に描出可能である.図1(58歳♂):前壁薄層法.胃角部前壁にFaltenの上にのった“へびたま”所見を有するタコイボ状隆起の多発を認め,隆起の背は比較的低く,中心陥凹(Delle)は周堤に比べ大きな面積比を占める.前壁薄層法はGastritis erosivaの描出に有利な方法である.また,一般に多少とも圧迫の加わった腹臥位の粘膜像が“びらん”病変を描写ししやすいことは,熊倉のいう通りである.図2(42歳♂):小伸展の二重造影像.図3(39歳♂):中伸展の二重造影像.本病変の描出には,過伸展にならぬよう心掛けることを第一とし,空気量の少ない小伸展ないしFaltenを出す粘膜像に近い状態で,体位変換の精力的な繰り返しにより病変部にのせるバリウム量を数段階に分けて撮影する努力が必要となる.
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