胃と腸ノート
上十二指腸角
永井 規敬
1
,
大井 至
1
,
竹本 忠良
1
1東京女子医科大学消化器病センター
pp.814
発行日 1975年6月25日
Published Date 1975/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112387
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いうまでもなく,上十二指腸角(Superior duodenal angle, SDA)は,十二指腸内視鏡検査において,球部およびそれ以降の部位観察の上で大切な目標となる.球部内観察の場合(特に,側視鏡で)SDAは,一視野でとらえたとき視野の左上方から右下方にアーチをつくり,胃角に類似した像をつくっている.多くは,この肛門側にKerckring皺襞が出現する.しかし,この言葉は,ふるくから解剖学,X線学上使用されている上十二指腸曲(Flexura duodeni superior)と類似しているし,名称の定義が十分に理解されなかったため,球部内のオリエンテーションの実際にまだ誤解を生じているのが現状である.いまさらという感もあるが,球部内の唯一のオリエンテーション指標となるSDAについてもう一度考えてみよう.
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