Japanese
English
今月の主題 Post H. pylori時代の胃炎・胃症
症例アトラス
collagenous gastritis
Collagenous Gastritis
江頭 信二郎
1,2
,
蔵原 晃一
1
,
大城 由美
3
Shinjiro Egashira
1,2
1松山赤十字病院胃腸センター
2九州大学大学院医学研究院病態機能内科学
3松山赤十字病院病理診断科
キーワード:
collagenous gastritis
,
collagen band
,
胃炎
,
陥凹面
,
collagenous colitis
Keyword:
collagenous gastritis
,
collagen band
,
胃炎
,
陥凹面
,
collagenous colitis
pp.62-65
発行日 2025年1月25日
Published Date 2025/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.053621800600010062
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疾患の概要
CG(collagenous gastritis)は原因不明のまれな慢性胃炎であり,collagenous colitisと同様に上皮下のcollagen bandの肥厚(>10μm)と粘膜固有層の慢性炎症細胞浸潤により病理組織学的に定義されている1).
欧米の報告2)に基づくと,本症は特徴的な病理所見が胃内に限局するタイプ(胃限局型)と,大腸ないし小腸にも同様の病理組織学的所見を呈する腸病変(collagenous colitisないしcollagenous sprue)の合併を認めるタイプ(腸病変合併型),の2つの病型に分類される.胃限局型は若年者に好発し,上腹部症状や貧血を診断契機とし薬剤との関連性を認めない3)のに対して,腸病変合併型は欧米に多いとされ,中高年者に好発し下痢を主徴とし多くの症例で常用薬剤との関連性が示唆されている4).本症の本邦報告例は現在までに20例余りであり,ほとんどが胃限局型([症例1,Fig.1]3))である.腸炎合併型の本邦報告例は1例([症例2,Fig.2]4))のみであるが,上部消化管症状に乏しい腸病変合併型が潜在している可能性は否定できない.胃限局型に対する有効な治療は確立されておらず,対症的に経過観察される.H. pylori(Helicobacter pylori)陽性例においても除菌療法は無効とされている.
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