胃と腸ノート
膵癌の血管造影の意義とX線所見(3)
有山 襄
1
,
池延 東男
1
,
河合 信太郎
1
1順天堂大学医学部消化器内科
pp.790
発行日 1975年6月25日
Published Date 1975/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112379
- 有料閲覧
- 文献概要
膵癌の血管造影診断には,動脈だけでなく静脈もよく造影することが大切である.静脈は動脈より膵癌の影響による変化が現われやすい.頭部癌では上腸間膜静脈,体尾部癌では脾静脈に圧排像,閉塞像がみられることが多い.
図1は膵頭部癌の症例で,上腸間膜静脈から門脈にかけて狭窄がみられ,癌の浸潤が門脈におよんでいることが判る.図2は膵体部癌で脾静脈は閉塞され(↑印),造影剤はshort gastric vein(↑印),coronary vein(↑印)を通って門脈(↑印)に流入している.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.