Coffee Break
“共存”潰瘍と“併存”潰瘍
五ノ井 哲朗
pp.602
発行日 1985年6月25日
Published Date 1985/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109871
- 有料閲覧
- 文献概要
胃潰瘍と十二指腸潰瘍が共存,あるいは併存する問題が,本誌13巻10号(1978年10月号)の主題となったとき,編集会議の席上で,主題の言いかたを統一しようということが話題となった.ただしそれは,それまで,“胃十二指腸潰瘍”,“胃及十二指腸潰瘍”,“胃・十二指腸潰瘍”など,様々な,紛らわしい用語が使われてきたことについての反省ということで,なぜか,“共存”か“併存”かということについて,立ち入った論義があったという記憶はない.そのあたりの事情は,座談会の冒頭の村上先生の発言にも表れていると思う.すなわち“胃・十二指腸潰瘍という言葉を区別しないで使うと,両方にあるものも,片方にあるものも,同じ言葉で呼ぶことになるので,このごろは“併存”という言葉を特に付けて,両方にあるものを表すようになっております.”という見解が,編集会議でもそのまま了解されたというなりゆきだったと思う.当時の編集委員の中には,既に“共存”という言葉を使っておられた先生もあったが,この問題について,特に発言があったかどうか,これも記憶には残っていない.要するに,何となく,自然に,“併存”潰瘍という表現に落ち着いたというなりゆきであったと思う.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.