Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
偽膜性腸炎(pseudomembranous enterocolitis)は偽膜を有する腸炎の総称名として古くは用いられていた.しかし,近年偽膜を有する腸疾患は種々の原因ないし誘因で発生することが明らかになってきた(Table 1).これら疾患では,偽膜の形状のみならず,そのほかの形態像にも差があることが次第に明らかにされてきた.
特に,抗生剤性偽膜性腸炎は,その特異な臨床像と病理形態像および原因の変遷から,1950年代以降注目を浴びている.同疾患の原因は,1950年代では黄色ブドウ球菌と考えられていたが,今日ではほとんどClostridium difficileであることが判明している.抗生剤性偽膜性腸炎は,総称名であった偽膜性腸炎から抜け出して,今日では偽膜性腸炎と同義語に使用されているのが世界的趨勢である.
We studied pathomorphological characteristics of pseudomembranous enterocolitis, their changes with the lapse of time and differential diagnosis, using 10 autopsy cases with the disease (Fig. 1), and other enterocolitis as a control.
As a result, pseudomembranous colitis seems to be a distinctly pathognomonic, easily curable disease-entity, which is probably caused by Clostridium difficile.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.