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編集後記
牛尾 恭輔
pp.606
発行日 1993年5月25日
Published Date 1993/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106179
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人体の中で,消化管は毎日の飲食を通して化学的,物理的,生物学的に外からの刺激を受ける器官である.大腸ではこれに胃液,胆汁や膵液,小腸液といった内からの酵素系やその産物が加わるため,種々の病変が生じやすいのは当然である.更に,中・高年者では加齢という時間的要因が加わるため,腫瘍として腺腫や癌が生じやすい.また,病変には発生時点や発育進展に差があるため,大きさの大小不同がみられたり,種々の形態を示しやすい.
さて最近,問題となってきたのは,大腸の腺腫や癌で治療を受けた患者や5mm以下の病変に対して,経過観察やサーベイランスをどのようにするかである.これは医療経済や多忙な臨床の場での処理能力にも直結している.主題論文の著者らの見解には微妙な違いがみられ,また,座談会では悩みや本音が述べられていることに読者は気がつかれよう.
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