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編集後記
牛尾 恭輔
pp.1426
発行日 1996年10月25日
Published Date 1996/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104441
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本号は大腸の上皮性腫瘍の質的または量的診断が,その表面の微細構造からどの程度までわかるかを追求する目的で特集された.大腸における表面構造の観察の歴史は,佐野論文をみればよく把握できる.特に,最近の5年間における微細表面の研究の進歩は目覚ましく,色素内視鏡,電子内視鏡と画像処理,拡大内視鏡,実体顕微鏡,走査型電子顕微鏡などからみた解析と検討など,本号でも活発な主張が行われている.目的も,表面構造から,良・悪性の診断はもとより組織型,深達度,更に発育・進展まで推測しようとしている.だが,過渡期の現象として分類も細分化され,混乱もみられる.ちょうど,種子島銃が暴れまくった戦国時代のようである.ところで,意見の対立,価値観の相違もやがて自然と整理,統一化されて,次なる秩序へと進化してゆくものである.これは歴史が示している.本号が新しい秩序へ役立てば幸いである.
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