Discussion
「消化管病理基礎講座<12>消化管疾患の肉眼所見に関する用語」(36巻10号:1303-1306)に対して
板野 聡
1
,
中島 寛隆
2
,
大倉 康男
3
1寺田病院
2東京都がん検診センター消化器科
3獨協医科大学病理学(人体分子)
pp.936
発行日 2002年6月25日
Published Date 2002/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104490
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本誌第36巻10号に掲載されました中島寛隆先生の「消化管疾患の肉眼所見に関する用語」に対して質問させていただきます.
1304頁「島状粘膜残存」での説明ですが,これはいわゆる“Insel”のこととしての説明と考えました.しかるに中島先生は説明として,“文字どおり解釈すると正常粘膜の取り残しと捉えられるが,実際には癌性びらん・潰瘍による再生粘膜から成るものが多い.”と記されています.たしかに“Insel(島状粘膜残存)”は,“正常粘膜の取り残し”で良いのですが,“癌性びらん・潰瘍による再生粘膜から成るもの”は「聖域」と呼ばれるべきものであると私は理解しています.もちろん,その成因も違っているわけで,中島先生は言葉の使い分けもなく,また成因の違うものをあたかも同じものとして述べておられます.
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