カラーグラフ 臨床病理シリーズ・30
脾疾患の肉眼病理所見
三方 淳男
1
1慶応義塾大学医学部中検病理
pp.8-9
発行日 1975年1月20日
Published Date 1975/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206164
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脾切除の対象となる疾患は割に少なく,しかも肉眼的に特徴的所見に乏しい場合が多い.今回は剖検例も加えて2,3の疾患について解説したい.
症例1(①)42歳男性で,肝細胞癌による門脈の腫瘍血栓を生じたため,脾腫を来した.脾は慢性うつ血が著明で410gと腫大し,表面①の左上方の黄白色調でやや陥凹した所は瘢痕化した陳旧な梗塞であり,左下方と右中央付近の黒褐色調の部分は新鮮な小梗塞巣であつた.
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