特集 腸炎・腹膜炎を読み解く ―病態と画像所見の対比
急性消化管疾患の画像所見とその病態
谷掛 雅人
1
1京都市立病院放射線診断科・IVR 科
キーワード:
急性消化管疾患
,
充血
,
浮腫
,
腸管気腫
Keyword:
急性消化管疾患
,
充血
,
浮腫
,
腸管気腫
pp.1082-1092
発行日 2023年9月25日
Published Date 2023/9/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000004861
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● 急性消化管疾患の多くの画像所見は非特異的であり,鑑別を進めるためには何が起こっているのか(病態)を考慮することが有用である.
● 均一に造影される壁肥厚は,充血状態と考えられる.腹膜炎,小腸型感染性腸炎,その他,血管透過性亢進状態で認められる.
● 層構造をもつ壁肥厚(target sign)は浮腫を反映,主に静脈性,炎症性といった機序によって生じる.どの機序によるものかを考えながら鑑別を進めるとよい.
● 菲薄化は腸管虚血,低酸素障害による腸管壁組織の脱落を反映している.
● 腸管気腫は良性と致死性があり,虚血所見の有無が鑑別点となる.急性上腸間膜動脈閉塞と非閉塞性腸管虚血では出現のタイミングが異なる.
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