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今月の主題 大腸SM癌内視鏡治療の根治基準をめぐって─病理診断の問題点と予後
序説
大腸SM癌内視鏡治療後の根治判定基準の変遷と問題点および将来展望
Introduction
田中 信治
1
Shinji Tanaka
1
1広島大学内視鏡診療科
キーワード:
大腸SM癌
,
内視鏡治療
,
根治判定基準
,
大腸癌治療ガイドライン
Keyword:
大腸SM癌
,
内視鏡治療
,
根治判定基準
,
大腸癌治療ガイドライン
pp.1209-1211
発行日 2009年7月25日
Published Date 2009/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403101715
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今回の「胃と腸」2009年7月号の特集として“大腸SM癌内視鏡治療の根治判定基準をめぐって─病理診断の問題点と予後”を取り上げた.2005年に大腸癌研究会から「大腸癌治療ガイドライン」が発刊され1),内視鏡的切除後の大腸SM癌の取り扱いや根治判定基準が改定され,SM浸潤度の浸潤距離実測による絶対値評価法が確立された.さらに従来,超微小SM浸潤(300μm)までしか内視鏡的切除後に根治と判定されなかったが,ほかの病理学的条件(組織型,脈管侵襲など)を満たせばSM浸潤1,000μm程度まで根治と判定できるようになったため,内視鏡治療で根治と判定できる条件が拡大された1)~4).
一方で,SM浸潤1,000μmという絶対的数値が独り歩きしているきらいがあり,SM浸潤1,000μmを超えた深部浸潤癌には外科的追加切除を考慮すべきであるというのは,あくまで指針であることが理解できておらず,根治基準からはずれた症例はすべて追加腸切除を施行しなくてはならないと思いこんでいる先生も多いようである.また,SM浸潤距離実測の具体的方法が一線の臨床の場で正しく理解されておらず,まだ標準化していないという問題点も指摘されている.本特集号では,これらの疑問点や問題点が,雲が晴れるように解消されることを目的として企画された.
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