CHEC-TIE—よい医師—患者関係づくりのために・16
回診でのひと言が医師—患者関係に影響を与える
箕輪 良行
2
,
柏井 昭良
3
,
竹中 直美
1
1日鋼記念病院医学情報部
2自治医科大学大宮医療センター総合医学第2
3自治医科大学看護短期大学
pp.780-781
発行日 1998年4月10日
Published Date 1998/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909337
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症例 手術に期待をかけている食道癌の男性
57歳,男性.ウチダさんは嚥下困難を主訴に来院し,検査のうえ食道癌による食道狭窄と診断されて入院した.この3カ月間で約10kgの体重減少があり,現在は水分がやっと飲み込める程度である.仕事が忙しいウチダさんは,「受診するのが遅れてしまったが,一日も早く普通に食べられるようになりたい」と強く期待していた.
患者の情報は,画像も含めて回診直前に主治医から提示される.ウチダさんは胸部CTで食道癌の大動脈浸潤が強く疑われた.内視鏡超音波検査が予定されているが,現時点では放射線治療が優先だろうと主治医は判断した.ウチダさんへもそう示唆していた.回診の日,ベッドサイドに立った教授は前頸部を診察しながら言った.
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