病める心の人とともに・4
ある看護婦のひと言で
羽生 りつ
1
1元国立武蔵療養所
pp.412-415
発行日 1978年4月1日
Published Date 1978/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918372
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看護の対象が人間であることはだれでもが十分承知していることでありましょう.しかし時には人間を相手としていることを忘れ,病状のみを対象にしたり,また逆に病気を見ず,人間のみを理解しようとするむきも見受けることがあります.
患者は一般に心の悩みを抱きながらも,言葉として表現したり,積極的に訴えてくることが少ないのです.それを病気として,症状としてだけ受けとめたならば,患者は長い間悩み続けることにもなりましょう.ある時は激しい興奮や幻覚の世界の中で,奇異な言葉や行動にとらわれます.ば倒,悪口雑言,看護者の言葉や態度を厳しく批判してくることもあります.
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