特集 外科患者・薬物療法マニュアル
Ⅰ.術前・術後管理における薬物療法の実際
胃・十二指腸潰瘍手術
松原 要一
1
1新潟大学医学部第1外科
pp.686-687
発行日 1986年6月10日
Published Date 1986/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209338
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□術前管理における薬物療法
1.待期手術
抗潰瘍薬物療法 難治性あるいは狭窄のある合併症性の潰瘍が待期手術の適応となるが,手術日まで2週間以上あることがほとんどなので,術前管理として酸分泌を強力に抑えるH2受容体拮抗剤が主として投与される(表1).これは患者の自覚症状を軽減し術前の不安感を除くだけでなく,潰瘍周囲の炎症を抑え術中操作を容易にし,また狭窄症状を改善することもあつて迷走神経切離術や小範囲切除術など胃機能を温存する術式の選択を可能にし,BillrothⅠ法再建も容易となる.
全身管理 良性疾患なので時間的余裕があれば十分諸検査を行い,必要ならば合併疾患の治療を行い全身状態を改善してから手術を行う.
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