今月の主題 内科エマージェンシー
疾患からみた内科エマージェンシー
消化器疾患
胃・十二指腸潰瘍
佐島 敬清
1
,
池田 典次
2
1横浜市立市民病院・内科
2横浜市立市民病院・外科
pp.1220-1222
発行日 1989年7月10日
Published Date 1989/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222578
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H2レセプター拮抗剤の出現以来,胃・十二指腸潰瘍の手術数が著減したのは周知のことである.しかし,最近,再び手術症例が増加し,しかも従来とはその内容が異なり,緊急手術例が増加している.図は当院における胃・十二指腸潰瘍手術症例と緊急手術率の過去10年の推移で,昭和55年,66例の手術症例中,緊急手術は9例(1316%)であったが,昭和63年は26例の手術中14例(53.8%)が緊急手術であった.このように胃・十二指腸潰瘍は瘢痕化し得る症例の増えた反面,緊急を要する症例も増加している.
緊急処置を要する胃・十二指腸潰瘍として,①出血性胃・十二指腸潰瘍,②穿孔性胃・十二指腸潰瘍,③AGML(急性胃粘膜病変),④Mallory-Weiss症候群,が挙げられよう.以下,これらにっいての緊急処置について述べる.
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