CHEC-TIE—よい医師—患者関係づくりのために・22
患者の提案してくる治療法が医師の方針と合わないとき
箕輪 良行
2
,
柏井 昭良
3
,
竹中 直美
1
1日鋼記念病院医学情報部
2自治医科大学大宮医療センター総合医学第2
3自治医科大学看護短期大学
pp.1864-1865
発行日 1998年10月10日
Published Date 1998/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907038
- 有料閲覧
- 文献概要
症例:手術拒否,リンパ節生検を求める男性
アオキさんは70歳の男性で,2年前に膀胱腫瘍が見つかった.血尿で病院にかかり,膀胱ファイバーを受けて,粘膜下層までの癌と診断された.医師から膀胱の全摘術の適応があると言われた.アオキさんと家族は悩んで話し合い,こう決めた.「年齢的に体力,精神力が衰えていて手術に耐えられないので,手術は受けません」
内視鏡的切除術を施行した後に,BCGの注入療法を定期的に続けた.1年半後に骨盤レベルのCTを調べたところ,膀胱と前立腺の近くにリンパ節腫大と思われる病変が見つかった.前立腺も軽度腫大しており,前立腺生検を受けた.これは良性と診断された.医師は,膀胱癌の再発と考えて開腹手術を強く勧めた.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.