CHEC-TIE—よい医師—患者関係づくりのために・10
患者が医師とのコミュニケーションギャップを話す場面をみせてもらった
箕輪 良行
1
,
柏井 昭良
2
,
竹中 直美
3
1自治医科大学大宮医療センター総合医学第2
2自治医科大学看護短期大学
3日鋼記念病院医学情報部
pp.2048-2050
発行日 1997年10月10日
Published Date 1997/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904752
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患者さんたちの座談会
—医師とのコミュニケーションへの意見
60〜67歳の男女6人.糖尿病や高血圧症,内耳性めまい症,突発性難聴などで医療機関にそれぞれ受診中の患者さんたちが集まった.都心部に在住で,標準的な生活状況にある.医師とのコミュニケーションをテーマに話し合うため,無作為に電話アンケートで選ばれたボランティアの方々である.自己紹介から始まり,患者説明用の食事指導パンフレットや健康手帳,説明メモやパソコンによる個人データファイルといったコミュニケーション・ツールの有用性について話し合った.プロの司会者による円滑な進行のもとで,医師とのコミュニケーションをめぐり全般的な意見が述べられた.
「良いホームドクターに恵まれている」と発言した60歳の女性を除いて,ほかの5人からはマイナスの発言が続いた.この女性は肥満があって高脂血症で医師にかかっている.家族全員がその先生にかかり,「先生と相性が合う」「こちらが信頼することも大切だ」と話した.しかしその彼女でさえ「大病院の医師は忙しそうに見えて質問しにくい.患者がおとなし過ぎると損してしまう」と苦言を呈していた.
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